猫の皮膚病(皮膚炎)とは? ノミ・ダニやカビなどに要注意
近年、人間と同じく皮膚病(皮膚炎)を患う猫が増加しています。発症すれば、ひどい症状(かゆみ、抜け毛、発疹など)に悩まされる皮膚病は、猫にとっても辛い病気です。ここではおもな猫の皮膚病(皮膚炎)について、その原因や症状をご紹介します。
2008年 06月 16日
猫の皮膚病(皮膚炎)の原因はさまざま。かゆみや脱毛、発疹が一般的な症状です。
猫の皮膚病(皮膚炎)の原因には、ノミ・ダニなどの寄生虫や細菌、カビ、ウイルスなどの「外的要因」と、アレルギーやストレス、ホルモン異常などの「内的要因」があります。このうち、猫で多いのは外的要因による皮膚病です。ちなみに猫の場合、犬とくらべて皮膚病になる割合は低く、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎になるケースは、それほど多くはありません。
| 寄生虫による猫の皮膚病 | ノミアレルギー性皮膚炎、疥癬、耳ダニ感染症(耳疥癬)、ツメダニ症、ニキビダニ症(毛包虫症) など |
|---|---|
| 細菌・カビによる猫の皮膚病 | 白癬(皮膚糸状菌症) など |
| 食べ物・化学物質・ホコリなどに よる猫の皮膚病 |
アトピー性皮膚炎、食物アレルギー性皮膚炎、接触性アレルギー性皮膚炎 など |
|---|---|
| ストレスによる猫の皮膚病 | 心因性皮膚病、神経性皮膚病 など |
| ホルモン異常を原因とする 猫の皮膚病 |
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症) など |
| 腫瘍・紫外線を原因とする 猫の皮膚病 |
扁平上皮がん、日光皮膚炎 など |
外的要因による皮膚病で多いのが、ノミアレルギー性皮膚炎や白癬(皮膚糸状菌症)です。ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミの寄生によって発生します。おもな症状として、背中の腰からお尻にかけての脱毛や発疹、かゆみなどがみられます。一方、白癬(皮膚糸状菌症)は、カビ(真菌)の感染によって発生します。かゆみはそれほどありませんが、円形の脱毛がみられます。白癬(皮膚糸状菌症)は、母子感染や再感染を起こしやすく、人間にも感染するので注意が必要です。
一方、内的要因による皮膚病で多いのが、ストレスによる皮膚病です。ストレスの原因は、劣悪な飼育環境や飼い主の行動の変化、引っ越しなどによる環境の変化、同居する猫や犬との関係などさまざま。この病気になった猫は、不安や不快感をまぎらわすために、自分の体をしきりになめるようになり、なめる部分に脱毛が起こります。内的要因による皮膚病としては、このほかにクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)があります。この病気になった猫は、皮膚がうすくなり、脱毛がみられるようになります。
上記のほかに、原因が特定できない猫の皮膚病も存在します。スタッドテイル(尾腺炎)は、尾のつけ根が炎症によって丸くふくらむ病気です。性的に活発なオス猫がなるケースが多いといわれますが、原因は解明されていません。また、肉芽腫は体中に脱毛とかゆみを起こす病気です。この病気の原因もはっきりしませんが、猫エイズ(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)などに感染して、免疫力が低下している猫に発症しやすいと考えられています。また、肉球の皮膚炎(形質細胞皮膚炎)は、足の裏にある肉球が腫れる病気です。原因は不明で、症状が悪化すると痛みが生じ、歩行も困難になります。
| 原因が特定されていない 猫の皮膚病 |
スタッドテイル(尾腺炎)、肉芽腫(好酸球性肉芽腫症候群)、肉球の皮膚炎(形質細胞皮膚炎) など |
|---|
猫の皮膚病(皮膚炎)の治療は根気強く、健康的&衛生的な飼育が大切です。
猫の皮膚病(皮膚炎)を治療するには、アレルゲン(原因物質)を特定し、まずはそれを取り除くことが重要です。たとえば、ノミアレルギー性皮膚炎ならノミの駆除。食物アレルギーなら特定の食べ物の摂取を絶ちます。ホコリやハウスダストなどが原因であれば、室内環境をできる限り清潔にたもつよう努めます。そのうえで塗り薬やシャンプーなどを使用し、皮膚炎を抑える対症療法をおこないます。
原因をよく調べず、塗り薬だけに頼るのはあまり良い方法ではありません。いくら塗っても根本的な治療にはつながらず、副作用で苦しむおそれがあるからです。たとえばクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)は、ステロイド剤の過剰な使用が発症の一因となります。しかし、この病気の猫にステロイド剤を投与し続ければ、逆に症状が悪化するおそれがあります。まずは動物病院で検査して皮膚病の原因を特定し、正しい治療を受けることが大切です。
猫の皮膚病(皮膚炎)は、一度発症すれば根気よく治療を続けなくてはいけません。そのため早期治療と予防が何より大切です。日頃から健康管理と衛生的な飼育に努め、スポットタイプのノミ・ダニ駆除薬を定期的に投与しましょう。また、できることなら室内飼いに徹し、野良猫との接触を控えることも有効です。愛猫の皮膚にカサカサや脱毛がみられる場合は、早めに動物病院に連れて行くようにしましょう。
以下に、猫の皮膚炎(皮膚病)のおもな症状を記します。思い当たるものがあれば、動物病院で診てもらうことをおすすめします。
| 全身にひどいかゆみや脱毛、 炎症がみられる場合 |
ノミアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、肉芽腫(好酸球性肉芽腫症候群) |
|---|---|
| 頭や耳にひどいかゆみや脱毛、 炎症がみられる場合 |
疥癬、耳ダニ感染症(耳疥癬)、日光皮膚炎、扁平上皮がん |
| 尾のつけ根にかゆみや脱毛、 炎症がみられる場合 |
スタッドテイル(尾腺炎) |
| 足の裏(肉球)に炎症や むくみがみられる場合 |
肉球の皮膚炎(形質細胞皮膚炎) |
| 抜け毛がおもにみられる場合 | 心因性皮膚病、神経性皮膚病、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)、ニキビダニ症(毛包虫症) |
| フケがたくさんみられる場合 | 白癬(皮膚糸状菌症)、ツメダニ症 |
| 皮膚炎以外に多飲多尿が みられる場合 |
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症) |
| 食事を変えてから皮膚炎が みられるようになった場合 |
食事アレルギー性皮膚炎 |
| 同居する家族やペットにも うつっている場合 |
ノミアレルギー性皮膚炎、白癬(皮膚糸状菌症) |
それぞれの猫の皮膚病(皮膚炎)については、こちらで詳しくご紹介しています。
ノミ・ダニなどの外部寄生虫による猫の皮膚病
細菌やカビによる猫の皮膚病
食べ物・化学物質・ホコリなどによる猫の皮膚病
ホルモン異常や腫瘍、紫外線を原因とする猫の皮膚病
原因が特定されていない猫の皮膚病
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