熱中症対策は大丈夫!?「節電」の夏を乗り切る法

2011年6月17日RSSRSS

飼い主さんの暑さ対策を検証!
弱点と効果アップのポイント

クールマット、クールボードを過信しないで

アルミや大理石のボードは、ボードの温度とペットの体温に差があると、熱が高いほうから低いほうへと移動し、ひんやり涼しくなる仕組みです。少し暑いぐらいのときには快適ですが、直射日光が当たったり、熱中症になるほどの暑さだと、ボード自体が熱くなって効果を発揮できません。
また、冷蔵庫で冷やす手間が不要の人気のジェルマット。これもペットの体温との温度差で涼感を得ますが、ジェルは室温に近づく性質を持っているため、室温が高くなるとマット自体の温度が上がり、効果が薄れてしまいます。
いずれも、夏場の熱中症対策として、これだけに頼るのは危険そう。他の対策との合わせワザが大切ですね。

「遮光」は、屋外で行うのがポイント!

最近の住まいは気密性が高く、熱がこもりやすくなっています。お留守番をしていたペットが、蒸し風呂状態の部屋で熱中症になったケースも珍しくありません。
日差しを遮り外からの熱の侵入を防ぐことは、室温上昇を抑えるのに大きな効果があります。そして遮光をするなら、室内のカーテンよりも、屋外によしずやすだれ、グリーンカーテンなどを設けるほうが効果的。室内のカーテンは、日光を浴びて吸収した熱を室内に再放射してしまうからです。日光は屋外でシャットアウトがポイント! よしずやグリーンカーテンで窓だけでなく壁面全体を覆えば、さらに断熱効果が高まります。

ペットは、「扇風機」では涼しくならない?

扇風機は、ペットに対して人と同じ効果は発揮できません。人は扇風機の風に当たると、汗の蒸発が進み、その気化熱で涼しくなりますが、犬や猫は汗をかけないので、気化熱によって体温を下げることができないからです。
もっとも、扇風機によって空気を対流させ、室内に熱がこもるのを防いだり、エアコンと併用して冷房効率を高めたりする効果はあります。

「通風」は、窓の開け方で差が出る

風通しを良くすることは、温度と湿度の上昇を防ぐ最も簡単な方法です。
(財)省エネルギーセンターによれば、「風上は狭く開け、風下は広く開ける」のが上手な通風のポイントとか。さらに、風下側の窓を1カ所ではなく2カ所開けると、風速が2倍以上になるそうです。
風向きに注意して窓の開け方を工夫すると、効果が倍増。窓や扉を開けるときは、ペットの脱走や転落事故、防犯にくれぐれも気をつけて。

体を冷やすなら、「動脈」の部位を

お散歩時に、保冷剤入りのバンダナやTシャツを水で濡らして利用する飼い主さんも多いようですね。
体温が上がると血液の温度も上昇するので、首まわりや足の付け根など、動脈が通っている部位を保冷剤で冷やすのは、効率的に体温を下げる良い方法です。
また濡らして着せるTシャツは、水が蒸発するときの気化熱で体温を下げるものですが、吸水速乾性に優れた生地であることが条件。普通の綿だと乾きが遅く、ムレて皮膚病の原因になりかねません。

ペットを自由にするときは、危険物を取り除いて

ペットが自由に涼しい場所に行けるように部屋を開放しておくことは、お留守番時に、部屋が予想外の暑さになってしまったときなど、ペットが自分で避難場所を見つけられるメリットがあります。
ただし、飼い主さんが不在のときは、ペットが誤って浴槽に転落したり、危険なものを口にしないよう事故の防止対策をしっかりしてください。

お留守番のときには欠かせない
エアコンの賢い使い方

エアコンは「除湿」より「冷房」がおトク

いくら節電が大切でも、ペットの健康には代えられません。お留守番のときは、やはりエアコンをつけて出かけたほうが安心です。
一般に、ペットにお留守番をさせるとき、エアコンを「除湿」モードにしている方が多いようです。除湿か冷房、どちらが節電になるのでしょうか? 実は、除湿には「普通の除湿(弱冷房除湿)」と、最新機種に搭載されている「再熱除湿」の2種類があります。弱冷房除湿は、冷房運転を弱めているだけなのに対し、再熱除湿は、除湿後に再度空気を温めて、室温を下げないようにします。湿気は取りたいけど室温は下げたくないときに便利な機能です。消費電力量は、再熱除湿>冷房>弱冷房除湿の順。
弱冷房除湿は節電にはなりますが、除湿量は冷房よりも劣ります。熱中症は、高湿度も原因になりますから、今年のようにエアコンの設定温度を上げて節電しながら除湿したいときは、むしろ「冷房」のほうが適しているかもしれません。もちろんペットにとっての最適環境は個体差が大きいので、一慨にはいえませんが。

28℃設定で心配なら、他の涼感テクを組み合わせて

ペットが犬の場合、お留守番時のエアコンの設定温度を25~26℃にしている方が多いようですが、今年の夏は、28℃が推奨温度。これでは不安という飼い主さんは、エアコンにプラスして、遮光や通気をしっかりする、クールマットやクールボードを併用するなど、いくつかの涼感テクを組み合わせましょう。また、水を複数個所用意しておくことも忘れないで。

熱中症の原因や予防策についても今一度確認して、この夏を元気に乗り切りましょう。

関連リンク

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