愛犬の夏バテ解消法【フード編】

まだまだ暑い日が続きますが、皆さん夏バテになっていませんか?人間も夏バテになりますが、実は犬のほうがもっと夏バテになりやすいことをご存知ですか?そして人間と同様、犬の夏バテがもっともあらわれやすいのが食欲です。今回は、犬の夏バテとその解消法を、食事面を中心に学んでいきましょう。

2009年9月8日RSSRSS

食欲は夏バテのチェックポイント

日本で暮らす犬は夏バテになりやすい

そもそも寒い地域がルーツである犬は、人間に比べて暑さに弱い動物です。犬の皮膚には汗腺がないため、暑い季節でも汗をかいて体温を下げることができません。代わりに、舌を出して「ハァハァ」と呼吸(パンティング)をすることで、空気が口から気道を通って肺まで行き来するときに、唾液や口、喉の粘膜に含まれる水分を蒸発させ、その気化熱を利用して体温を下げようとします。しかし、日本の夏は気温が高いだけでなく、湿度が非常に高いので、うまく体温を下げることができません。体温調節がうまくいかず、さらにパンティングでかなりのエネルギーを消耗してしまうことで、いわゆる「夏バテ」の状態になってしまうのです。

高温多湿の日本で暮らすすべての犬は夏バテを起こす危険性がありますが、特に子犬や高齢犬、パグやシーズー、フレンチ・ブルドッグのような短頭種、シベリアン・ハスキーやボルゾイのような北方原産種、さらに肥満ぎみの犬などは、体温調節が苦手で夏バテになりやすいと言えます。またクーラーをつけた室内で過ごすことが多い犬は、外に出たときやクーラーを切ったときとの気温差が大きくなり過ぎると、体温調節機能が混乱してしまい、夏バテを起こしやすくなります。

食欲は夏バテのバロメーター

夏バテの状態になると、体力が低下し、胃腸の働きが鈍くなり、食欲も低下します。食べなくなることで、必要な栄養素が不足し、新たなエネルギーを作り出すことができず、ますます夏バテがひどくなり、食欲が低下する悪循環になってしまいます。人間も夏バテになると食欲が落ちるのと同様に、愛犬の夏バテを見極める一番のポイントも食欲の変化です。まずは愛犬の食事の様子をよく観察してみてください。次のような変化はありませんか?

□ 食事時間を待ちきれずに催促していたのに、しなくなった
□ 食事を与えても、においをかぐだけで食べない
□ いつも完食だったのに、残すようになった
□ いかにもまずそうにノロノロと食べる
□ おやつしか食べなくなった

思い当たる項目があれば、夏バテを起こしている可能性があります。もっとも、極端に食欲不振が続く場合は、病気の可能性もありますので、早めに動物病院で診察を受けましょう。


夏バテ解消法(1) 水分補給

まずは水分補給から

夏バテ解消のためには、まずはパンディングにより大量に失われる水分の補給が重要。いつでも新鮮な水を好きなだけ飲めるようにし、散歩のときは必ず水を持参してこまめに水分補給をしてください。お留守番をさせるときも、新鮮な水をたっぷり用意してから出掛けましょう。またミネラルの不足を補うために、スポーツ飲料水をスプーン1杯ほど加えることも有効ですが、あくまで不足を補う程度にして、糖分や塩分過剰にならないように気をつけましょう。

食事からの水分補給を

水による水分補給はとても大切ですが、水のガブ飲みは、胃酸濃度を薄めて消化不良を招いたり、体液成分のバランスを崩し、食欲を低下させてしまうことがあります。そのため、食事から水分を補給することも効果的です。水分の多い野菜(トマト、キュウリ、レタスなど)や果物(スイカ、ナシなど)をおやつに与えたり、ドライフードと比較して、水分を多く含むセミモイストや、ウェットタイプのフードに切り替えたりすることも水分補給に有効です。

夏バテ解消法(2) 食事の工夫

フードの嗜好性を高めて食欲回復をうながす

夏バテで低下した食欲を回復させるためには、食事の嗜好性を高める工夫もしてみましょう。犬にとってのおいしさは、特に脂肪やタンパク質などの「におい」に左右されると言われています。次のような犬の好物をトッピングして、においに変化をつけてみましょう。また、不足しがちな栄養成分を含む素材をトッピングとして与えることで、栄養素を補給することもできます。

  • 茹でた鶏のささみ:タンパク質を多く含みます
  • 茹でた野菜:ミネラルやビタミンを多く含みます
  • チキンスープ:アミノ酸を多く含みます
  • プレーンヨーグルト:乳酸菌を多く含みます

トッピングだけでなく、ドライフードにお湯やスープをかけたり、少量の水を加えてレンジで温めてにおいをたたせることでも嗜好性が高まります。また、水分量が30%程度あるセミモイストフードや、70%程度あるウェットフードはやわらかくて食べやすいため、ドライフードを食べない愛犬も好んで食べるようです。食事の工夫を実践してみたら、愛犬の食べっぷりをよく観察し、食いつきや食事量が改善されているかどうかチェックしましょう。
ただし、嗜好性が高いものは、その分高脂肪のものが多く、消化器官に負担をかけるうえに、体内で熱を多く作ってしまうため、夏バテを助長させてしまうことがあります。消化活動や、栄養素やエネルギー量のバランスを十分に考慮することが大切です。

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