猫の泌尿器系の二大疾患をご存知ですか?

尿石症、膀胱炎、慢性腎不全…など、猫には泌尿器系の病気が非常に多いのをご存じですか? 慢性腎不全は高齢猫に多い病気ですが、尿石症や膀胱炎などは若い猫でもかかります。そこで猫の泌尿器系疾患のなかでもとくに多く、飼い主さんに注意してもらいたい病気として、「猫下部尿路疾患(FLUTD)」と「慢性腎不全」について取り上げました。

2010年10月6日RSSRSS

猫下部尿路疾患(FLUTD) ~食生活や水分摂取不足などが引き金に~

なぜ猫に泌尿器系の病気が多いのか?

本題に入る前に、そもそもなぜ猫に泌尿器系の病気が多いのかをおさらいしましょう。結論からいえば、それは猫の体の仕組みが原因です。猫はもともと水の少ない砂漠地帯の動物。あまり水を飲まず、少ない水分を有効に活用して、濃縮された濃い尿を排泄します。尿が濃いと、その中に含まれるミネラルが結晶化し、結石ができやすくなります。さらにその結石が膀胱を傷つけ、膀胱炎の原因にもなります。また濃い尿を出すために、腎臓は酷使され続け、その結果、機能障害を起こしやすくもなります。

“猫下部尿路疾患(FLUTD)”は、膀胱から尿道に起こる様々な病気の総称

尿路の下部(膀胱から尿道)で起こる様々な病気を総称して、「猫下部尿路疾患(FLUTD)と言います。尿路に尿結晶や結石ができる「尿石症」、その症状が進み、尿道に尿石が詰まって排尿できなくなる「尿道閉塞」、細菌感染や尿石などで膀胱粘膜に炎症を起こす「膀胱炎」など。あるいはそれらを併発するケースもあります。

頻繁にトイレに行くのに尿が出なかったり、血尿などが見られたら…

頻繁にトイレに行くのに少ししか尿が出ない、排尿時に痛そうに大きな声で鳴く、トイレ以外で粗相をする、ピンクや赤色の血尿が出る、トイレにキラキラ光る結晶が残っている…。愛猫にこんな症状が見られたら、猫下部尿路疾患が疑われるので、すぐに動物病院に行きましょう。
なかでも緊急を要するのが、尿道に尿石が詰まってまったく尿が出なくなる尿道閉塞です。メス猫より尿道が細く長いオス猫がかかりやすく、治療しなければ、2~3日で、尿毒症から命を落としかねない危険な病気です。
また、猫の膀胱炎については、猫の尿は濃くて細菌が繁殖しづらいため、犬にくらべて、細菌感染性のものより尿石が原因のものが多いようです。その他、最近ではストレスが引き金ともいわれる、原因不明の特発性膀胱炎も増加しています。

食事のミネラルバランスと尿のpHの偏りが、尿石の原因に

猫に多い尿石は、「ストルバイト」と「シュウ酸カルシウム」です。尿石ができる原因には、ミネラルバランスが適切でない食事と尿のpH値が関わっています。ストルバイト尿石は、尿中にリン酸、アンモニウム、マグネシウムなどが多量に排泄され、それが結晶化したものです。正常な猫の尿は弱酸性(pH6~6.5)ですが、それがアルカリ性に傾くと、ストルバイト尿石ができやすくなります。また、シュウ酸カルシウム尿石は、尿中にカルシウムが多量に排泄され、尿がさらに酸性に傾くことで、できやすくなります。
ストルバイト尿石の治療は、食事療法が中心です。動物病院で処方される療法食によって、食事中のマグネシウムを制限し、尿を酸性に傾けることで、尿石を溶解することができます。一方、シュウ酸カルシウム尿石は、一度できてしまったら溶かすことはできないので、手術によって取り除くしかありません。

食事管理と生活管理が予防の決め手

猫下部尿路疾患が厄介なのは、いったん治っても、以前の食事や環境に戻ると、再発を繰り返しやすいことです。発症や再発の予防には、日常の食事管理、生活管理が非常に重要です。
まず基本的なこととして、トイレを清潔に保ち、猫に排尿を我慢させないこと。猫がいつでも好きなときに水が飲める環境にして、十分に水を摂らせること。水分摂取不足だと、猫の濃い尿がさらに濃くなり、結晶ができやすくなります。飲水量が減りがちな寒い季節は、とくに注意しましょう。そして、肥満させないこと。肥満猫は尿石症になりやすいことがわかっています。
尿石症の既往があり、かかりやすい体質の猫は何よりも食事管理が必須です。猫下部尿路疾患対応のフード、なかには療法食(マグネシウムやカルシウムなどのミネラルを制限したり、尿のpHを調整するように考慮されたフード)をずっと継続しなければいけないケースもあります。定期的に尿検査を受け、獣医師の指示を仰ぎましょう。

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