日本獣医師会および日本獣医学会、獣医療における「ホメオパシー」対応の考え方を発表

日本学術会議(会長:金澤一郎)から、8 月24 日付けで、「ホメオパシー」の科学および医療・歯科医療・獣医療現場での対応、その治療効果等について会長談話が発表された。日本獣医師会および日本獣医学会も、日本学術会議声明に賛意を表するという。

2010年8月27日RSSRSS

ホメオパシーとは、ドイツ人医師ハーネマン(1755 – 1843 年)が始めたもので、レメディー(治療薬)と呼ばれる「ある種の水」を含ませた砂糖玉によってあらゆる病気を治療できるというもの。過去、「副作用がない治療法」として欧米各国で広がった。

同会議の会長は、ホメオパシーによる治療効果は科学的に否定されていると断じる。プラセボ(偽薬)と同じ心理的効果はあるとされるものの、それに頼ることで、確実で有効な治療を受ける機会を逃す可能性があることを指摘。そのため、たとえプラセボだとしても、医療関係者がホメオパシーを治療に使用することは認められないという。

また、非科学的と知りながら、多くの人が信じているために医療現場から排除できず、医療保険の適用を解除することが困難となっている諸外国を引き合いに出し、日本でも今のうちに医療・歯科医療・獣医療現場からホメオパシーを排除する努力を行わなければ「自然に近い安全で有効な治療」という誤解が広がり、同様の深刻な事態に陥りかねないと懸念している。

会長は、すべての関係者は、ホメオパシーのような非科学を排除して正しい科学を広める役割を果たさなければならないと主張する。そして、治療効果が科学的に否定されたホメオパシーを「効果がある」と称して治療に使用することは厳に慎むべきだということを、多くの人に理解いただきたいと述べている。

獣医療における「ホメオパシー」対応の考え方(PDF)

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