猫の膵炎(すい炎、膵臓炎、すい臓炎)
膵炎(すい炎、膵臓炎、すい臓炎)は、膵臓に炎症が起こり、膵臓の酵素が漏れ、膵臓本体だけでなく、ひどいときには周囲の臓器を消化している状態で、急性で症状が重いものでは命に関わることのある病気です。膵炎には急性膵炎と慢性膵炎がありますが、どちらも特異的な症状が見られず、発見しにくい傾向にあります。老猫の場合は慢性膵炎が多く見られます。
更新日:2010年 04月 12日
猫の膵炎の【症状】元気や食欲の低下、気分のふさぎ込み、嘔吐や下痢など
急性膵炎、慢性膵炎ともに様々な症状が現れますが、特異的な症状は乏しい傾向にあります。急性膵炎では、元気の低下、沈うつ状態、食欲低下や頻回の嘔吐、下痢、脱水など、色々な病気で見られる症状が認められます。また、腹部が激しく痛むため、お腹を抱えて丸くなっていたり、抱きあげられるのを嫌がったりします。炎症が重い場合は、ショック症状に陥り、昏睡状態になることもあります。慢性膵炎では、食欲低下、抑うつ、嘔吐、下痢などの症状が、現れたと思ったら治まり、また現れるといったことが繰り返し見られます。慢性膵炎ではインスリンを分泌する膵臓部分が障害されることがあるため、糖尿病を併発することもあります。
猫の膵炎の【原因】急性膵炎は事故や感染症などが、慢性膵炎は急性膵炎が原因で発症
急性膵炎は、事故によって腹部を強打することで膵臓が障害され、膵臓の酵素が漏れだし、膵臓や周囲の臓器を消化するために起こります。そのほか、猫伝染性腹膜炎(FIP)、猫ウイルス性鼻気管炎などのウイルス感染症やトキソプラズマ症などの様々な感染症、胆管肝炎、慢性的な胃腸炎による炎症が膵臓に波及することなどが原因で起こります。慢性膵炎は、急性膵炎が治りきらずに再燃してしまった場合に起こることがあります。
猫の膵炎の【治療】栄養分を補いつつ短期間絶食させる
膵炎の治療として、膵臓から分泌される消化酵素の働きを抑えるために短期間絶食させます。絶食期間中は、輸液などを行って水分や必要な栄養素を補います。また、タンパク分解酵素阻害薬で膵臓の酵素の働きを抑制したり、抗炎症剤や鎮痛剤の投与などを行います。また、原因となっている病気や併発している病気があれば、それらの治療も行います。
猫の膵炎の【予防】室内飼いの徹底と飼育環境の整備、適切な健康管理
なるべく室内飼いを徹底し、交通事故の危険や感染症に感染するリスクを減らすようにしましょう。また、マンションで飼育する場合には転落する恐れのあるような場所に立ち入らせないなど、飼育環境の整備を行うことも推奨されます。また、ワクチン接種や食事管理、体重管理などを適切に行うなど、日頃からの健康管理が予防として重要といえます。
特に肥満の老猫に慢性膵炎が多く見られるため、中高年になったら様々な合併症に気をつけ、年に1〜2回は健康診断を受けさせるようにしましょう。
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