Petwell 猫の病気事典
ねこぱるぼういるすかんせんしょう(ねこでんせんせいちょうえん、ねこはんはっけっきゅうげんしょうしょう、えふぴーぶい)

猫パルボウイルス感染症(猫伝染性腸炎、猫汎白血球減少症、Feline Panleukopenia Virus:FPV)

猫パルボウイルス感染症(猫伝染性腸炎、猫汎白血球減少症:FPV)は、以前は「猫ジステンパー」とも呼ばれ、感染すると激しい下痢や嘔吐を引き起こし、命に関わる危険がある恐ろしい病気でした。近年になってワクチンが開発され、発症例は減少傾向にあるものの、決して油断できない病気です。

主な症状 下痢をする 元気がない・疲れやすい 熱がある 脱水を起こす 血便が出る 食欲がない 
命の危険 高い】 放っておくと、命に関わる恐れがあります

【症状】子猫の場合は激しい下痢や嘔吐などの症状が現れる

猫パルボウイルスに感染すると、数日の潜伏期間を経て症状が現れます。成猫の場合はほとんど無症状ですが、まれに急性腸炎と白血球の減少が見られることがあります。一方、子猫の場合は、急性腸炎を起こし、食欲不振、元気消失、40~41℃の高熱、持続的な嘔吐と下痢が認められ、その結果、激しい脱水を起こします。嘔吐した場合、胆汁(黄緑色)を含んだ液状の吐物が見られます。また、下痢は激しく、水様性~粘液性で血が混じることがあります。胎子や新生子のうちに感染した場合は、中枢神経や胸腺が障害を受け、運動失調や震戦(しんせん:ふるえ)などの神経症状が出ることもあれば、新生子のうちに死亡してしまうこともあります。
猫パルボウイルス感染症では白血球の減少が生じることがあり、手当てが遅れると、細菌の二次感染による敗血症などを起こし、死亡することがあります。

【原因】感染猫の尿、便、唾液などからウイルスに感染

猫パルボウイルス感染症は、猫パルボウイルスに感染することが原因で発症します。すでにこの病気に感染している猫の排泄物(尿や便、唾液など)中には猫パルボウイルスが含まれているため、感染している猫と触れ合ったり、その排泄物をなめたりすることで感染が起こります。また、猫パルボウイルスは外界で1年以上も生存できるため、環境中のあらゆる場所に存在する可能性があります。このため、感染猫と直接接触していなくても、感染猫が触れたケージやブラシ、飼い主の衣服などから感染が起こる可能性もあります。

【治療】各症状への対症療法が中心。多頭飼育の場合は感染拡大の防止策を

猫パルボウイルスに直接効果がある薬剤はありません。このため、猫パルボウイルス感染症の治療は、それぞれの症状を抑える対症療法が主体となります。下痢や嘔吐などにより脱水症状を起こしている場合は、輸液療法を行います。また、ほかの感染症にかかるのを防ぐために、抗生物質を投与する場合もあります。さらに、免疫力を高めるためにインターフェロンを使用することもあります。なお、多頭飼育の場合は、感染拡大を防ぐために感染猫を隔離して、感染猫が使用したもの(食器やトイレ、猫用ベッドなど)は塩素系消毒剤などを用いて消毒する必要があります。

【予防】定期的なワクチン接種が有効

猫パルボウイルス感染症の予防には、ワクチン接種が有効です。子猫を飼い始めたら、すぐに動物病院で健康診断を受け、ワクチンを接種する時期や回数について相談するようにしましょう。成猫になってからも、年に1度のワクチン接種を欠かさずに行いましょう。

「猫パルボウイルス感染症(猫伝染性腸炎、猫汎白血球減少症、Feline Panleukopenia Virus:FPV)」のポイント

猫パルボウイルスは自然界で半年以上、ときには1年ほど生存できる、生命力が強いウイルスです。いつどこで感染するかわからないため、ワクチン接種を心がけましょう。

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「猫パルボウイルス感染症(猫伝染性腸炎、猫汎白血球減少症、Feline Panleukopenia Virus:FPV)」に併発する可能性のある病気

該当する病気はございません。

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