9月1日「改正動物愛護管理法」が施行されました。知っておきたい改正のポイントはココ!

ペットの飼い主さんにも関係の深い法律「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、動物愛護管理法)が改正され、平成25年9月1日から施行されました。今回の改正のポイントについて、犬・猫の飼い主さんに関わる項目を中心に、ペットの法律問題に詳しい弁護士・渋谷 寛先生(渋谷総合法律事務所)に解説していただきました。

2013年9月13日RSSRSS

【取材協力】
渋谷寛先生(弁護士・ペット法学会事務局次長)

各地で講演を行うなど、さまざまなペットをめぐる法律問題に積極的に取り組む。月刊誌「いぬのきもち」・「ねこのきもち」で法律相談を連載中。著書に「わかりやすい 獣医師・動物病院の法律相談」(編集)、「Q&A ペットのトラブル110番」(共著)など。

そもそも「動物愛護管理法」とはどんな法律ですか?

「動物愛護管理法」は、動物の虐待を防止して命を大切にすること(愛護)と、自分の飼っている動物が周囲に迷惑をかけないように飼養すること(管理)という2つの目的から作られた法律です。
昭和48年に制定されて以来、平成11年、17年、今回と、3回の改正を経てきました。最初は条文の少ない法律でしたが、次第に充実してきています。

今回、「終生飼養の徹底」が前面に打ち出されましたね

終生飼養の徹底は、今回の改正のなかでも大きなポイントで、飼い主は最後まで責任をもって飼うことが明記されました。犬や猫は15年も20年も生きる動物です。自分の寿命や健康状態、環境など、最後まで飼いきれるかを考えてから飼いなさいということです。 終生飼養の確保は動物取扱業者にも求められます。ペットショップで売られている子犬や子猫が売れ残ったらどうなるのかは不明な部分がありましたが、今回、販売できない動物の譲渡先などを事前に届出することが義務付けられました。
また、行政は、飼い主や業者から動物の引き取りを求められればほとんど応じてきましたが、終生飼養に反する理由での引き取りは拒否できるようになりました。つまり、身勝手な処分や飼養放棄は許されなくなったわけですね。

「インターネット販売」の規制について教えてください

写真と違っていた、送られてきたコが病気だった…など、ペットのインターネット販売にまつわるトラブルが急増していました。今回、インターネット販売自体が禁止になったわけではありませんが、ネット販売においても、少なくとも1回は、販売者と購入者が直接会って説明と現物確認をしなければいけないことになりました。
遠方の場合、飛行機で動物を輸送し、購入者が空港で引き取るという方法が行われてきましたが、これからは、販売者も同行して説明するなら問題ありませんが、動物だけを送れば違反となってしまいます。

子犬・子猫が販売できるのは「生後何日」からですか?

子犬や子猫を早い時期に親兄弟から引き離すと社会化ができず、問題行動を生じやすいことが指摘されています。そこで、生後56日を経過しない犬猫の販売・引き渡し・展示が禁止されました。ただし、条文では56日と明記されているものの、施行後3年間(平成28年8月31日まで)は45日、それ以降は別に法律に定めるまでの間は49日とされています。現状、幼齢での引き渡しによる弊害が科学的に検証されているのが7週(49日)なんです。

「多頭飼育」についても規制ができたのでしょうか

ニオイや鳴き声で周囲に迷惑をかけたり、劣悪な飼育環境で虐待につながったり、多頭飼育によるトラブルも社会問題になっています。そのため、多頭飼育が原因で周囲の生活環境を悪化させたり、動物を衰弱させたりした場合には、行政が、状況の改善のために勧告・命令ができるようになりました。さらに、虐待の恐れがあって迅速な措置が必要な場合には、勧告を経ずに即座に命令を出せることになりました。ブリーダーなどの業者も一般の飼い主も対象となります。
何頭からが多頭飼育になるのかは条文では明確にされていません。しかし、住んでいる地域によっては条例で一定頭数以上は届出が求められるところもあるので、確認が必要です。

※例えば佐賀県では犬または猫を合わせて6頭以上、新潟市(今年8月から)では犬または猫を合わせて10頭以上の場合、届出が必要となります。

「災害時の対応」が盛り込まれたと聞きましたが・・・

東日本大震災のときには、ペットも大きな被害を受けました。その反省を踏まえ、行政が策定する動物愛護管理推進計画に、災害時の対応について記載することが義務付けられました。行政に対して、災害時の動物の避難について普段から考えておきなさいということですね。
そして飼い主には、終生飼養の観点から、できる限り一緒に避難することが望まれます。水・フード・トイレシーツなど、ペットの避難用品の備蓄、同伴避難の訓練など、日頃から準備しておきましょう。

法律は効力を発揮できるのでしょうか?

罰則がほぼ2倍に強化されました。例えば動物をみだりに殺したり傷つけたりする殺傷罪は、懲役2年となっています。刑が軽いと、警察もなかなか取り合ってくれず、「当事者同士で話し合ってください」となりがちだったのですが、重罪になることで警察が取り締まりやすくなりました。
また動物虐待罪の具体的な事例も例示されました。以前からある、餌を与えないなどの虐待だけでなく、糞尿まみれの汚い環境で飼って衰弱させたり、重い怪我や病気を治療せずに放置したりすることも虐待罪になり得ます。飼い主にとってもかなり厳しい法律になったのではないでしょうか。

今後に残された課題とは?

重要事項でありながら立法化に至らなかった、いくつかの課題が附帯決議とされました。例えば、ペットの埋葬業者に関する規制。マイクロチップ装着を促進するための規格やデータベースの統一化。今回、取り残された最大の課題ともいえる実験動物の扱い。その他、野良猫、地域猫の対応など。
動物愛護管理法は、まだまだ過渡期・発展途上の法律なので、社会状況の変化に合わせて5年ごとに見直すことがあらかじめ決められています。法律のさらなる進化が望まれますね。

今回の法改正について、わかりやすく解説した環境省のパンフレットはこちら

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