ペットへの放射線の影響を考える

2011年8月12日RSSRSS

飼い主さんの気になる疑問・不安にお答えします

ペットへの影響を心配する飼い主さんたち。今回のアンケートで、多くの方が知りたがっていた疑問について、夏堀先生に答えていただきました。

Q.体が小さいペットは受ける影響も大きいのではないかと心配です。

A.遺伝子を修復する能力は、人も他の動物も同じです

犬や猫は、人に比べて体が小さいことや、年をとるスピードが早いことから、放射線の影響が大きいのではないかと心配される方も少なくありません。しかし、遺伝子を修復する能力は、人も他の動物も変わりはなく、放射線から受ける影響も人と同様であるといえます。
子どもが放射線への感受性が高い(影響が大きい)といわれるのは、細胞分裂が活発なためで、ペットの場合も、子犬や子猫のほうが影響は大きいといえるでしょう。ただし、警戒区域外の現在の線量であれば、影響はないと考えていいでしょう。

Q.放射線の影響を考慮して、「水道水を与えない」「外に出さない」「雨に濡らさない」「食事を変える」など、これまで行っていたことを制限する必要はありますか?

A.生活が変わるストレスのほうが害になるかもしれません

警戒区域外にお住まいの方は、特別に気にする必要はありません。現在の線量であれば、無視できるレベルです。また、警戒区域近辺にお住まいの場合でも、人がきちんと管理している水やフードを与えている限り、ほとんど心配はありません。
むしろ、いつもと違う生活を送ることで、ペットにストレスを与えるほうが害になりかねません。

Q.ペットが妊娠した場合、その子どもたちに影響はありますか?

A.現在のところ、影響はないと考えられます

これまでのデータから、放射線による遺伝的影響は認められていません。また、奇形や障害などについても、こういう状況下では話題に取り上げられがちですが、実際に現在の線量であれば自然発生率を有意に超えることはないと考えられます。

Q.原発付近のペットたちは、本当に大丈夫なのでしょうか?

A.除染が必要な程被曝しているペットは見つかっていません

さまざまなボランティアの方がペットフードや水を与えていたおかげか、現在のところ、保護されたペットの中で除染が必要なほど被曝しているケースは見つかっていません。被曝の心配ばかりがクローズアップされますが、被曝のリスクよりも、むしろ飼い主さんに会えないストレス、栄養失調、フィラリアへの感染のほうが、彼らの命を脅かす主な原因になっているのが実情です。
ただ、保護されないまま、野生の小動物などをエサとして食べている場合には、内部被曝のリスクも高いと考えられ、きちんと検査する必要があります。

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