飼い主の方向けセミナーもどんどん開催
人間と同様、獣医療・ペット関連業界でも漢方薬や鍼灸、マッサージなどが見直され、徐々にこれらに取り組む人々が増えています。
漢方薬や鍼灸療法について獣医師が大学で学ぶ機会はあまりなく、多くは独学ないし中国やUSAへの留学で知識と技術を得ていましたが、最近は日本でも東洋医学関連のセミナーがいくつか開催されるようになりました。
また、マッサージや指圧などは自宅で手軽に行えるため、これらの飼い主の方向けセミナーもどんどん開催されているようです。
そもそも「東洋医学」ってどんなもの?
東洋医学とは中国をはじめとする東洋の国々で発展してきた伝統的な医学のことで、そのなかには、漢方薬[湯液(とうえき)]、鍼灸(しんきゅう)、按摩(あんま)・指圧(しあつ)[推拿(すいな)、マッサージ]などが含まれます。
狭義では、中国の伝統的な医学を中医学、この中医学を土台とし日本や韓国で独自に発展してきた医学をそれぞれ漢方医学、韓医学と呼びます。
心身のバランスを保ち、乱れを回復させる
東洋医学では、病気は心身のバランスが何らかの原因*によって崩れたため起こると考えられ、治療は心身のバランスを保つこと・乱れを回復させることを目的としています。
このため、東洋医学は「心身に生じた不具合を調整する助け」となり、かつ、各々が本来持っている「不調や病気に対する抵抗力」をも回復させる助けとなる医療と言えるかもしれません。
内因 | 激しく怒ったり悲しんだりといった感情の過度の変動や遺伝的素因など体に内在する原因 |
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外因 | 季節や住む場所、病原体を含めた広い意味での環境的な原因 |
不内外因 | 外傷や飲食の不摂生・働きすぎ・休みすぎなど生活習慣が原因 |