ペットの東洋医学 byPetwell

愛犬・愛猫に漢方薬を使用するとき、注意したいこと-後編-

漢方薬を使用する際は、「証(しょう)」に随って処方されます。「証」とは一体何でしょうか。「愛犬・愛猫に漢方薬を使用するとき、注意したいこと」というテーマを、前編・後編に分けて解説します。

2015年08月03日RSSRSS

漢方薬/西洋薬をともに有効活用しよう

東西両方の医学が利用可能な現在、どちらかに一方的に偏らず必要に応じて双方の薬を活用しましょう。西洋薬の苦手分野を漢方薬が、漢方薬の苦手分野を西洋薬が補えることがよくあります。例えば、貧血で疲れやすい、食欲がないといった症状があるとき、貧血の原因を追究し、その治療を西洋薬で行うだけでなく、症状を和らげる漢方薬を併用するとQOLが高められる場合があります。
ただし、同じ作用を示す漢方薬と西洋薬を併用すると効き目が出すぎて副作用となることもあるので、注意が必要です。いくつかの動物病院で異なる薬を処方されている場合は、必ず担当の獣医師に伝えておきましょう。

漢方薬にも副作用はあるので注意が必要

生薬それぞれに様々な副作用があり、漢方薬は生薬を組み合わせることで副作用を軽減する構成になっています。とはいえ、漢方薬にも副作用はあるので注意が必要です。代表的なものとしては、生薬のどれかにアレルギー反応を起こすという副作用があります。このほか、証にあわない漢方で体調を更に崩してしまう場合もあります。例えば、体力が充実している実証向けの強い瀉下剤を脱水気味で便秘がちな虚証患者に使うと、下痢となり脱水が悪化する、といったことがあります。

長期に使い続け有害な作用がでてくることも

また、短期間だけの服用ならそれほど問題がない漢方を長期間続けて胃腸を壊してしまうこともあれば、病状や体質が変わったのに同じ漢方薬を長期に使い続け有害な作用がでてくることもあります。季節が変化するように、生き物の体も変化し、症状や体質も変わって証も違うものとなります。漫然と同じ漢方薬を使用するのではなく、その時々の体質・症状に応じた漢方薬を処方してもらうようにしましょう。漢方薬も西洋薬と同様に用量や用法を守ること、証にあったお薬を使うことが大切です。

「漢方薬は効き目が遅い」という思い込みは禁物!

また、漢方薬は効き目が遅いと思われがちですが、実はそうでもありません。急性の病気では数十分から数日とかなり早くに、慢性の病気では少なくとも1~2週間、長くても2~4週間以内に症状に何らかの変化が見られます。
もし、症状がまったく改善してこない、あるいは、以前と異なる症状が出てきた、といった場合はかかりつけの獣医師にご相談するようにしましょう。

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