冬の健康注意報[猫]

寒さが引き金となって発症・悪化する病気はいろいろありますが、なかでも、猫に多い泌尿器系の病気が多発する季節です。また寒さが苦手な猫は、暖房器具によるやけども心配です。愛猫の健康管理を怠らず、元気に冬を乗り切りましょう。

2011年11月28日RSSRSS

泌尿器系疾患の予防には、十分な水分摂取を

猫は、もともとあまり水を飲まず濃い尿を出すため、尿中のミネラルが結晶化して、尿石症や膀胱炎などを起こしやすい動物です。冬になると、普段でも少ない猫の飲水量がさらに減って、いっそう泌尿器系の病気にかかりやすくなります。
予防策としては、愛猫がいつでも新鮮な水を飲めるように、よく行く複数個所に水を置いておくこと。もし積極的に飲んでくれない場合は、飲み水をぬるま湯にしたり、好物の肉汁を少し加えてにおいをつけたりと、工夫してみましょう。水分の多いウェットタイプ(缶詰やレトルトなど)のフードを与え、食事から水分摂取させるのも方法です。
また冬は部屋を閉め切ることが多く、猫の行動が制限されがちですが、排尿をがまんすると膀胱炎の原因になります。猫が行きたいときにトイレに行けるように配慮してください。

寒さは、心疾患や関節疾患にとって大敵

寒さが引き金となって、発症したり悪化する病気もあります。例えば心疾患の持病をもつ猫や高齢猫にとっては、急激な冷え込みは心臓に大きな負担をかける大敵です。就寝時などはベッドに毛布や湯たんぽなどの防寒グッズを用意して、夜間の冷え込みに対処してください。
また、寒さは関節にも負担をかけます。寒さで血液循環が悪くなり、痛みが出やすくなります。関節炎が出やすい高齢猫はとくに、十分な防寒対策を。

ウイルスの活動が活発な時期、ワクチン接種を忘れずに

寒く空気が乾燥する冬は、呼吸器系の病気にもかかりやすくなります。原因となるウイルスが低温・低湿度を好むため、冬になると感染力が高まるうえ、動物ののどや鼻の粘膜の働きが弱まり、細菌やウイルスに対する抵抗力が落ちる時期でもあるからです。
この時期、人でもインフルエンザへの注意が必要ですが、猫もウイルス性の感染症には十分気をつけなければいけません。ウイルス性感染症のなかには命にかかわる危険なものもあるので、まだワクチンを接種していない愛猫は、この機会にぜひ済ませましょう。

被毛を焦がしたり、怖い”低温やけど”にも注意して!

室内で様々な暖房器具が使われる時期です。寒さが苦手な猫は、つい暖房器具に接近し過ぎてやけどを負うことがあるので、十分注意してください。ストーブやファンヒーターで、被毛を焦がしてしまうことも珍しくありません。
また、エアコンやホットカーペット、電気毛布などでは、低温やけどの心配があります。猫はあまり動かない動物なので、エアコンの温風が当たる場所にじっと動かずに寝ていたり、ホットカーペットの上で寝返りもうたずに熟睡していたりすると、危険です。飼い主さんがそばに付いていられない就寝時やお留守番時の愛猫の防寒対策としては、徐々に冷めていく「湯たんぽ」が比較的安心です。ただし、低温やけどの心配がまったくないわけではないので、厚手のタオルでくるむなどの配慮を。

“遊び”で、運動不足の解消を

寒がりの猫は、この時期、ヒーターの前から離れなかったり、こたつに潜り込んだりと、運動不足になりがちです。愛猫の心身の健康のために、冬でも適度な運動は欠かせません。冬は、防寒のために体が脂肪を溜め込みやすくなっています。にもかかわらず、暖房の効いた室内飼育では体温維持にエネルギーを使う必要もありません。ここで運動を怠れば、ますます肥満の条件が揃ってしまいます。
猫は狩りを連想させる遊びが大好きです。飼い主さんが猫じゃらしで獲物の動きをまねて遊びに誘ったり、おやつを小さくちぎって部屋のあちこちに置き、猫に探させるなどして、運動不足を解消してあげましょう。

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