犬の生活習慣病

室内飼育の増加や獣医学の進歩により、犬をとりまく環境が一変するなかで、肥満や心臓病、ガン、糖尿病など、私たちと同じような健康問題を抱える犬が増加しています。そこで今回は、いわゆる「犬の生活習慣病」について、その発症の原因とりうる要因や主な症状、さらには若い頃から気をつけるべきことなどについて、獣医師にお聞きしました。(右の写真はアリアンツ「Pet People Club」メンバーの愛犬BB☆ちゃん)

2010年7月27日RSSRSS

【監修】

みずほ台動物病院/琉球動物医療センター 院長 兼島孝先生

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※本記事に掲載されている写真は、アリアンツ「Pet People Club」メンバーの写真です。写真は本記事の内容とは関係ありません。

犬にも生活習慣病が増えている

犬を取り巻く環境や生活は大きく変化してきました。栄養バランスの優れたドッグフードの普及や、室内飼育の増加、獣医学の進歩などを背景に、犬の寿命は延び、高齢化が進んでいます。一方で、高齢化や変化してきた生活習慣の影響を受け、心臓病や腫瘍(ガン)、糖尿病などを発症する犬が増加しています。これらの病気は、遺伝的な要因だけでなく、加齢や、日頃の生活習慣が発症の引き金となることが多いため、「生活習慣病」といわれています。

肥満が生活習慣病の引き金に

生活習慣病を引き起こす要因として、まず挙げられるのは「肥満」です。肥満はそれ自体が生活習慣病といえますが、心臓病や糖尿病、関節疾患など、別の生活習慣病を引き起こす要因となります。最近では、カロリーオーバーの食事や、室内飼育による運動不足などの生活習慣によって、肥満になる犬が増えてきています。特に、飼い主さんの間違った食事管理によって肥満になってしまうケースが目立ちます。「愛犬が喜ぶので、ついつい余計に食べ物を与えてしまう」という飼い主さんも多いでしょうが、そうした習慣が肥満や生活習慣病を招いてしまうのです。

こんなにもある犬の生活習慣病

若い頃からの不適切な生活習慣が発症の原因となりうる、犬の代表的な生活習慣病について知っておきましょう。

心臓病

心臓病になると、心臓の機能が低下し、正常な血液の循環ができなくなります。そのため、呼吸困難や、咳の症状があらわれ、悪化すると命にかかわります。高齢になると心臓の機能が低下し、心臓病を発症しやすくなります。また肥満も、心臓に余計な負荷をかけるため、心臓病を招く原因となります。

関節の病気

関節の病気になると、腰を振るように歩く、足を引きずる、元気がなく運動を嫌う、といった症状があらわれます。加齢や運動不足は骨や関節を弱らせ、また肥満や激しい運動も骨や関節に大きな負担をかけるため、関節疾患の発症を招く原因となります。

歯周病

歯周病になると、出血や口臭、食欲低下、歯が抜けるといった症状がみられます。歯周病が、心臓病や肝臓病、腎臓病へ進行することがあるという報告もあります。歯周病の原因となる歯垢は、数日で歯石へと変化してしまうので、歯みがきの習慣が大切です。

腫瘍(ガン)

腫瘍(ガン)は、犬の死因として最も多い病気といわれ、皮膚の腫瘍や乳腺腫瘍が特に多くみられます。腫瘍(ガン)は遺伝的な要因や環境的な要因がいくつにも重なって発症するといわれていますが、栄養の偏った食事や、運動不足などの不適切な生活習慣も、腫瘍(ガン)を招く要因のひとつと考えられています。

糖尿病

糖尿病は、食事の糖からエネルギーを作りだす、インスリンというホルモンの分泌量が低下することで起こる病気です。大量の水を飲み、大量の尿を出す、食欲が増すが痩せてくる、といった症状がみられます。先天的な要因に、肥満やストレスなどの要因が重なって、糖尿病を発症すると考えられています。

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