災害時のペット避難対策

2011年9月1日RSSRSS

災害が起きたら、まず「同行避難」が基本

1.事前の確認

前述のとおり、災害時のペット対策は自治体によって異なります。自分の住む地域ではどうなっているのか、地域防災計画や近くの避難場所などを確認しておくこと。同行避難はできるのか、避難所ではペットと同室に入れるのか、ペット専用物資の備蓄はあるのかなど、不安な点があれば明らかにしておきましょう。
また、いざ避難するとなったら、何を持って、どう動くのか、実際にペットを連れて避難所までの行動をシミュレーションしておくことも必要かもしれません。あれもこれもと欲張りすぎて、非常用荷物が持てないこともあります。

2.同行避難

ペットは「同行避難」が原則です。避難は一刻を争うので、避難所で迷惑になるかも…などと思い悩むより、一緒に連れて行きましょう。あとで迎えに戻ればいいからと置いて行った結果、残されたペットが迷子や事故に遭ったり、被災地が危険区域となって立入禁止になれば、迎えに行きたくても行けなくなってしまいます。今回の福島原発の警戒区域に残されたペットの救出はなかなか進まず、政府が本格的な救出に乗り出したのは、警戒区域指定から3カ月近くも経ってから。それまでに餓死したり野生化してしまった動物は数えきれません。

3.避難所生活

避難所には「ペット受け入れ不可」のところもあります。しかし、災害発生後数日経てば、現地では、自治体や地元の獣医師会、愛護団体などの連携による救護活動が始まります。「動物救護センター」が開設され、フードなどの物資の提供、獣医師による治療、迷子ペットの保護のほか、飼い主からの一時預かりも行われますので、もし避難所がペット不可でも、預かってもらえば、とりあえずの安全は確保できます。

一方、「ペット受け入れ可」の避難所であっても、必ずしも飼い主と一緒の部屋に入れるとは限りません。ペット同伴家族専用のスペースが設けられているところもありますが、多くは別棟のペット専用施設に収容されたり、屋外に係留かケージに入れて置くというケースも。その判断は個々の避難所に委ねられています。

避難所には、当然、動物が苦手な人もいます。「うるさい」「不衛生」「非常時にペットなんて…」と厳しい視線を向けられることもあります。飼い主さんは、各避難所で定められたルールを守り、責任をもってペットの飼育管理を行わなければなりません。そのためには、基本的なしつけ、ワクチンや寄生虫対策などの健康管理はしっかりしておくことが求められます。
また避難所生活が長引くと、ペットも飼い主さんもストレスが溜まってきます。ペットの性格にもよりますが、場合によっては、知人や友人、動物救護センターなどで一時預かってもらうのも一つの方法です。

4.仮設住宅

生活拠点が仮設住宅へと移るときにも、ペットの問題は出てきます。東日本大震災でも、当初は仮設住宅の多くは原則ペット不可でした。仮設住宅は密集しているため、鳴き声や排泄物、衛生面の問題が懸念されたためです。
しかし、飼い主さんにとってペットは心の拠りどころ。被災者の心のケアの面からも同居のメリットは計り知れません。そこで、緊急災害時動物救援本部が、被災自治体に向けて、仮設住宅でのペットの受け入れを要請したり、動物愛護団体が署名活動を行うなど、各方面からの働きかけによって、ペット可の仮設住宅が少しずつ増えてきています。状況は刻々と変わります。ペットとの同居を望む飼い主さんは、諦めずに情報収集を継続することが大切です。

ペットの同行避難も、避難所や仮設住宅での同居も、周囲に迷惑をかけないことが大前提。災害時に備えて、必要な準備とマナーについてチェックしておきましょう。

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