拾った子猫たちの飼い主探しのために「くるねこ大和」ブログを開設。広く共感を呼び、ブログ掲載マンガを収録した『くるねこ』(エンターブレイン)を出し、ベストセラーに。パッケージ・デザイナーのくるねこ大和さんにインタビューしました。
4匹目を拾い、「トメ吉」と名づけて「これで打ち止め」と言ったら、
「止めどない、のトメじゃないの」と(笑)。
猫は「にゃん」が最初ですね。小学校5年の時、3歳ぐらいのすごくきれいな猫が、用事ありげに家に上がり込んできました。これは絶対飼い猫だと思って、父が「あなた、来るとこ、間違っとるよ。家に帰りなさい」と公園へ。すると、父が帰ってこないうちに戻ってきて、こちらが根負けしました。
その2年後に来たのが「マオ」。あの子は1日粘って居着きました。家の周りでニャーニャー言うので、「あの家、猫捨てとる」みたいに外聞が悪くて(笑)。その1年後、今度は大きな犬がやって来ました。みんな、押しかけです。
わたしが猫を飼い始めたのは23歳の時。勤め先の近所にペットショップがあって、かわいくない子猫がいました。その子は何度行っても売れ残ってる。仕方がないので、連れて帰ってきました。すごくやせていたから、太ったらかわいくなるぞ、と思っていましたが、そのまま大きくなった(笑)。それが「もんさん」です。
2匹目が1999年秋。勤め先の社長がコーヒー買ってきて、と言うので出かけたら、すごく汚い子猫がいて、コーヒーを買い忘れ、その子を買い物袋に入れて帰ってきたら、みんなが「コーヒーが、う、動いとるじゃないか」みたいな。それが「ポ子」です。
次が2001年の夏。夜、ビールを飲んでいると、知り合いから電話があって、「黒い猫が木の上におるで、そっちへ行きたいらしいんで、ちょっと待っとって」。その人、自分では登れないので、お巡りさんに捕まえてもらい、家に連れてきた。お巡りさんが絡んでると、わたし、断れないじゃないですか。それが「カラスぼん」。
4匹目が自転車に乗っていて道端で拾った子猫。この子が最後、と思って「トメ吉」と名づけ、これで打ち止め、と言うと、「止めどなし、のトメじゃないの」と言われました(笑)。
5匹目が去年の夏、妹が拾ってきた子猫3匹の内の1匹「胡ぼん」です。
ブログを始めたきっかけは、拾った子猫の飼い主探しのためです。独立して事務所を構えたけど、最初はヒマ。近くの川の土手を散歩していると、子猫を5匹見つけ、連れて帰ってきました。そのころ、わたしは1Kの部屋に猫4匹と暮らしていて、もう限界。それで友達や仕事関係の人に頼んだのですが、見つからない。1匹は実家に引き取ってもらい、あとの4匹を猫ブログの人にお願いしたら、1週間で全部決まって感激しました。
でもこれから毎年、春と秋に5匹ずつ拾うとしたら、他人を頼ってる場合じゃない。それで2006年にブログを始めました。最初は写真を載せていたけど、加工が大変で飽きてきた。ある日、マンガを描いて載せると、「それがいい」と言ってくれた人がふたりいて、それからわたし、ずっとマンガを描き続けています。
拾った子猫の飼い主さんが見つかるとすごくうれしいです。でも届けに行き、帰宅してお酒を飲んでいるとドーッと涙が出ます。実は5匹の子猫の時、わたし、悲し過ぎて、暴れたんですよ。その時、冷静な心の自分が、わたし、猫で切れるのか、と思っていました。
(初出:「よみうりペット」2008年9月20日発行号)
くるねこ大和さん(パッケージ・デザイナー)
愛知県豊田市生まれ。1993年、名古屋造形短期大学卒業後、デザイン会社に就職。パッケージ・デザイナーの道を歩み、のち独立。2006年、拾った子猫たちの飼い主探しのために「くるねこ大和」ブログを開設。広く共感を呼び、2008年1月、ブログ掲載マンガを収録した『くるねこ』(エンターブレイン)を出し、ベストセラーに。同年7月、続編『くるねこ2』(同前)を上梓。






